Message from the President ~トタニのビジョンを知る~

人が中心。自由な環境で、おもしろく誇りある仕事をしよう。

人のチカラを信じ、経営の基本とする。

代表取締役に就任以来、私は一貫して「"人"が中心の経営を基本とする」、「社会に貢献できるモノづくり」「モノづくりこそ富の創造」「ものまねをしない独自開発技術で、常に最高性能を目指す」「社内、社外(お客様や協力企業)に対してフェアに仕事をする」「ブランドを守り、信用を守る」といった方針を企業経営の基本に置いてきました。

この中でも特に重要だと考えるのが「"人"が中心の経営を基本とする」という点です。トタニは企業として人の育成に一貫して力を注いできました。もっと言えば、企業の利益を犠牲にしてでも人材の育成に注力しています。なぜなら優れたモノづくりに必要な経験や技術は「人の中に残る」からです。私は常々社員に、新しい発想で新しいことに挑戦して欲しい!と言ってきました。失敗のリスクは会社が負う。考え悩み、時には先輩や周囲を巻き込んでもよいから、挑戦して欲しい、と。それでもなかなかリスクをとるのは勇気がいることと思いますが、失敗の経験こそが技術者にとって必要なこと。トタニではどの部門に居ようとも新しいことや、機械開発にかかわることができる。私は社員にモノづくりのおもしろさ、誇りを感じることができ、目標に向かって頑張れる職場環境を提供することが何よりの責務と考えています。

お客様との強い信頼づくりこそ、企業成長の「種まき」

トタニではたとえ30年以上前の機械でも修理やメンテナンス、安全性向上のための改修を行っています。多くの企業ではこのようなコストのかかることは行っていません。これは一見すると、利益を圧迫する「余分なコスト」です。これをカットしてしまえば一時的に業績は上がるものの、長期的に見れば企業としての信頼低下につながりかねません。特に、製袋機のようなニッチな業界では、お客様との強い信頼の醸成こそが重要なのです。このことを大切にしてきたことで、過去の景気後退局面でもトタニは平均10%程度の成長をコンスタントに成し遂げることができています。

その間にもリストラを実施したことは一回もありません。技術サービス部門などでは担当者指名でお客様から連絡が入ることも多く、社員はそれを誇りに思っています。リストラばかりではこんな信頼関係はまず築くことはできないでしょう。こうした企業姿勢と"人"が中心の経営が、世の中に役立つ機械をつくる企業として成長の「種まき」となっていると考えています。

製袋機に関する膨大なデータの蓄積もまたトタニの強み

モノづくりの側面からのお話ですが、トタニはすでに32年以上前から技術開発や設計、製袋機の調整データなどを自社開発ソフトのデータベースに蓄積しています。こうしたデータの中には顧客との共同作業によって得られたものも多くあります。これはお客様との信頼関係が築けていなければ提供していただけなかったもの。国内はもちろん、海外のお客様から、世界各地の異なる環境下での様々な「実践データ」を提供していただけています。これを「製袋機ビッグデータ」として製品開発やメンテナンス等に反映させていくことができている。これもトタニがフェアに仕事を行ってきた結果と言えます。

すでにトタニが独自に開発をした、業界では導入例の少ない製袋機の「データ通信システム」が稼働しているほか、製袋機の制御には故障予測のプログラムも組み込んできました。こうした先進的なシステムの構築にもお客様との信頼関係がもたらしたデータの蓄積が役立っています。

社会的責任を果たせる企業活動を目指して

トタニの製袋機がつくるプラスチック袋は生活必需品であり、環境対応製品といえます。古くから使われてきた瓶や金属の缶に比べ、軽量で保存性も高く、輸送コストも低減でき、石油消費量も減らすことにつながります。瓶、缶やペットボトルをリサイクルするには回収や輸送、再生のために多くのエネルギーが必要ですが、プラスチック袋はそのようなエネルギーも少なく、燃やせば発電でエネルギー回収も可能です。

トタニは一貫して製袋機開発の技術を磨き、フィルムロスを減らし、製袋速度を向上させてきました。同時に壊れにくく、メンテナンスも容易で、継続的に生産活動をしてもらえるように改善を重ねています。これらは言うまでもなく生産時の無駄なエネルギーロスを減らすことにも貢献しています。今後はさらに社会貢献性を高めるために、フィルム素材の研究にも他分野の企業とともに取り組んでいくことにしています。

最後に

本来、トタニは製袋機のメーカーではありませんでした。1952年の創業時は海産物加工機械の製造・販売企業だったのですが、ドイツ製の製袋機の修理を依頼されたことをご縁に、製袋機の開発、製造への「挑戦」を始めたのです。その後、国産発のラミネート製袋機や世界初レトルト袋製袋機、世界初の3サーボ・可変シール制御方式国際特許製袋機、独自のボックスパウチ製袋機などを次々と世に送り出し、今に至ります。

製袋機では薄いプラスチックフィルムの高速加工制御技術がカギとなりますが、製袋機業界のみならず、異分野の業界トップ企業からも多くの開発依頼があるほど、トタニの製袋技術は注目されています。ご縁があれば、これからもトタニが蓄積してきた基本技術をもって他の分野へ進出する機会もあるかもしれません。 モノづくりに携わりたい、挑戦したいという皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

海産物加工機械メーカーから世界規模の製袋機メーカーへ…トタニの歴史を知る