Monozukuriトタニの「モノづくり」

Episode1-1

製袋機でも何でも最初から完全な機械なんてない。
設計も開発も現場から発想するから、
お客様に評価される、まねのできない製袋機が生まれる。

「モノづくり」は“人”から始まる…トタニの企業としてのこの信念は今も、これからも変わることはない。
トタニのモノづくりの優位性、競争力を支えてきたのは、間違いなく一人ひとりの社員なのだ。
異口同音に語られるように、技術者の発想・独創性を大切にし、自由で、裁量の範囲が広い働き方を大事にしてきたのもその表れ、といえる。

しかしその裁量の範囲が広い働き方は、時に技術者に「大きな課題」を提示することにもなる。いまトタニの中核を担う技術者たちはそんな時どうしたか…3人の技術者たちがブレークスルーのエピソードを語る。

突然の無茶振り

泉保 智彦(技術サービス)

SG8一号機の開発はとてもやりがいのある仕事でした(泉保)

ボックスパウチ®製袋機、SG8(BH-80DG-F)の開発を託されたのは、泉保がトタニアメリカに赴任する直前のことだった。2005年のある日、泉保は上司から声をかけられた。「あ、君のスケジュールが空いてたから、SG機の開発、予定に入れたよ。」…まさに晴天の霹靂、突然SG8の開発を担当することになったのだ。「えっ~!」と泉保はこの「無茶振り」に戸惑いながらも、新規開発機の試作に興味が湧いたという。

「新規といっても、実はすでに先輩が手がけていた試作機があったんです。工場の隅に置かれたままでしたが、早速テストにかかれるように準備を始めました。でもすぐに課題が待ってましたね。実際に運転して袋を製袋してみると、どうもうまくいかないんですよこれが(笑)。」「袋は問題なく作れるんです。でも、例えば<45度折ガセット>や<角底装置>といった独自機構が不安定で、できた袋に若干のズレや不具合があっても検出できない。未完成の状態でした。」

突き返された袋

泉保 智彦(技術サービス)

だがそのSG8はすでにイタリアの顧客との間で商談がまとまりかけていた。ほどなくその企業のトップが本社に視察に訪れる。「目の前で試作製袋機を運転し、コンベアに完成した袋が出てきて、その袋を手に取った社長がしばらくして黙って私にポイ!と袋を突き返してきたんです。」ショックだった、と泉保は言う。もちろんそれまでに問題点は改良してきたつもりだった。が、結果的には細部のクオリティや完成度は顧客の側からは満足のいくものではなかったのだ。しかし製袋機としての評価は高かったため、商談そのものはまとまった。

「これではいけない。どう不具合を検知するか?どうやってそれを修正していけばいいのか?正直かなり悩み、もがきました。」45度折ガセットや、高速で複雑な工程ゆえのフィルムの蛇行、角底部分の挿入装置の精度向上などなど、泉保は改良点をリストにし設計に直談判する。だが最初は“これだけの改良には時間やコストの問題があるから…”とあまり良い反応は返ってこなかった。「あとは意地と粘りです(笑)。最後はこの問題を解決しないなら出荷しない!とまで宣言して説得して回りました。」

その熱意に共鳴するように、また泉保自身が改良案を提示し採用されたこともあって、設計や開発担当も一体となり、検出装置の開発など顧客の立場からの視点で改良が進んでいくことになる。

Perfetto!の言葉

SG8(BH-80DG-F)

SG8(BH-80DG-F)

そしてSG8第一号機は2005年夏、ついにイタリアの顧客に納入される。泉保は現地で据付けを終え、改良点を説明し、製袋機の試運転を実施した。「いや~この時は正直ドキドキでした。コンベアに袋が出てきて、社長がジッと袋を見てるんですよ。」しばしの沈黙の後、その社長は一言「Perfetto!(完璧だ!)」と泉保に声をかけた。この時泉保は“技術者冥利に尽きる”と思ったと振り返る。設計や開発と一体となった改良は確実に問題を解決し、トタニ独自のボックスパウチが高速で製袋できる、世界初の製袋機SG8(BH-80DG-F)1号機が顧客に評価された瞬間だった。

トタニの技術サービスはただのサービスマンではない。新規開発製品の試作、試運転および改良をおこなうという役割も担う。「私のような一技術者の説得や意地(笑)、アイデアが評価されて、見える形になっていくのはトタニで仕事をする最大の面白さだと思います。」と泉保は語る。SG8(BH-80DG-F)一号機の開発をリードした泉保は、この後トタニアメリカに赴任し、アメリカで現地の市場ニーズに応える製袋機(CTシリーズなど) の開発に大きくかかわっていくこととなる。

特集:「創造的夢中人」エピソード1

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